コミュ障主婦の孤独な会社生活と片思いの記録

コミュ障主婦のメンヘラかまってちゃんな日々の記録

パート先で片思いしていた上司への想いを断ち切りながらメンヘラな心の闇との戦いを繰り広げているコミュ障主婦の日々の出来事をただただ吐き出すだけの、ストレス発散ブログです

忘れられない珈琲

10年も前の話だ

場所はおそらくヒルトン福岡シーホーク
当時はもっと違う名称だったような気もするけど、きちんと覚えていない

知り合いの結婚式に呼ばれてそこに足を運んだ

ごく普通の結婚式

上司の当たり障りのないスピーチと緊張で少し音を外したピアノの余興、それぞれのテーブルごとに代表者が選出されて行われるゲーム

とりたてて突出したところもないごく普通のよくある結婚披露宴

出席者の楽しみはとにかく料理につきると思う
少なくとも私はそうだ
普段食べられないちょっとお洒落で豪華な料理に舌つづみを打つ
それが唯一の楽しみ

そんな中、食後のドリンクとして珈琲が出された
私がそれまで出席していた披露宴はたいてい珈琲か紅茶か出席者が選べるようになっていたのだが、そこは問答無用で珈琲が出てきた
しかも砂糖すらついていない

私は嫌いではないものの珈琲の苦みが少し苦手で、正直、砂糖やミルクをたっぷり入れなければ飲めない

ドリップコーヒーならまだ多少は我慢できるがインスタントのブラックはまず無理だ

もちろん、ホテルの珈琲でインスタントなわけはないだろうからブラックでも我慢すれば飲めないことはないに違いないがそれにしても不親切極まりない

紅茶か珈琲か選べないだけでなくミルクや砂糖もついてないなんて

私は憮然として、目の前に置かれた珈琲を見つめた

珈琲にしてはそもそも色からしておかしい
まるで紅茶のようにきれいな薄い色をしている

思わずお品書きを確認する

やはり珈琲と書いてある

苦みがくることを予想してしぶしぶ一口口に含む

……苦くない
というか、むしろほのかに甘い

あれ?どういうことだ?

もう一口飲んでみる

やはり苦みというものが一切感じられない
むしろほんのりとした甘みがふわぁ~っと広がってくる

砂糖抜きのはずなのに

どういうことだろう
初めから砂糖がすでに投入されているんだろうか

いやいや、甘さの好みなんて人それぞれなんだから初めからそんなことをするわけがない

じゃあこれはもともと甘い珈琲ということなのか?
こんな珈琲今まで飲んだことがない

生まれて初めて私は珈琲を、美味しいと感じた

自分が珈琲に対してそんな風に思うときがくるなんてそれまで想像だにしてなかった

あっという間に珈琲はなくなった

おかわりしたいほどだったが、それを要求する勇気もなく、何という名前の珈琲なのかを尋ねることもできず、ただただ、甘くて美味しい珈琲を飲んだ、という記憶だけが強く心に刻まれた

あれからそのような珈琲には出会えていない

そこのホテルにも行く機会はなく、10年という歳月が流れた

紅茶のような色の甘みのある珈琲

未だにあれが結局何という珈琲だったのか知るよしもない

あのときはひたすら美味しいと感動したが今飲んでも同じように美味しさを感じるものなのかどうかそれすらもわからない

何せ10年も前の記憶だ

ただずっと気にはなっている
あれが結局何だったのか

生きている間に答えは見つかるだろうか
見つかるといいな

珈琲を飲むたびにそう思う